事業参入の『譲れない原理原則』
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どうも、今日も記事を見ていただきありがとうございます!!
ネット広告領域の新規事業に関わらず、異なる業界の社内ベンチャーとしてもある程度あてはまる、『新規事業を取り組むなら押さえるべき原則』について、あくまで主観でありますが今回触れています。
最初から少しだけ、
手前味噌な話から始まりますがどうか許してください
現在のようなネット広告代理店という領域で今後、腰を据えて働くと仮定した際に『この領域でのみ働く』という決め事が自身に明確にあり
2つほどありますが、その他ドメインで働く気は今後一切ありません。
営業も不得手でないでしょうが、単騎としてその領域のパフォーマンスにコミットするは気もなく、
新しくて面白い広告をプランニングをするというプランナー領域においても不得手でないでしょうがそこまでの情熱もなく、
マネージメントのような管理業務においてもより素質のある人は多いのでバリューも限定的でしょう。
誰でもが腰を据え取り組めばやれてしまうようなことをやっても自身にとっては何のバリューも意味もありません。
頭を使わなくても9割出来てしまう、
いわゆる"オートマティックモード"で出来てしまう惰性の仕事。
去年も一昨年も昨日も踏み固めた道を、
来年も再来年も明日も永遠と往復して踏み固めるだけの仕事。
何の魅力も刺激も感じない、となると
きっとネット広告代理店の営業マン/プランナーには不向きなのかもしれません
もし今後本気で取り組むと仮定するなら
1つは、
組織にとって意義の大きな難易度の高い課題を解決するミッションに取り組むケース。
より難解で意義のある課題に取り組むことのみが仕事における唯一感じられる極上のエクスタシーという変態気質とくれば、そんな難題の解決に完全に自己責任で結果にコミットする、そんな領域であれば喜んで全身全霊を捧げたい
(前置きがこんなんで、御免なさい・・・)
本題。
2つめは、
新規事業開発~
軌道に乗せるコト
ただし、これも前提として条件がつきです。
ネット広告の会社が新規事業というと
"プロダクトの立ち上げ"か
"アナログの労働力を特定のカタチでパッケージングする"ものになるケースが多いですが、重要視する譲れない条件が幾つかあります。
★勝てる可能性のある事業か?
★取り組む本人にとって意義のある(面白いと感じる)事業か?
です。
「勝てるか、負けるか?」
その戦いは開戦前(動き出す前)に一定の確率で想定がつきます。
少なくとも勝てる算段がなければ取り組んじゃダメです、ホントに。。
事前に基礎的なシミュレーション/計算を怠ってエイヤー!で投資して動き出すものがどこの会社の新規事業にも多すぎるように思えます。
『勝つ』とは、
その市場で独占的な立ち位置に上り詰めるか
その市場で追随不可の独自の立ち位置に上り詰めるか、のどちらかです。
そもそも勝つ気があんの?というものは多いし、この先のどう考えても泥仕合化するけどちゃんとそれ見据えての?というのも多いです
開戦前に勝てる戦略(ビジョン)がなければ始めてもほぼ失敗します。
(『たまたま』成功するものも少しはあるでしょう)
勝つための重要な幾つかのチェックポイント奪取を目印に、奪取失敗したとして軌道修正不可なら潔い撤退のライン設定も開始前には当然必要でしょう。
その事業の『種』は他社が気付いていない独自のチャンスを見つけているという強い思い込みから発するパッションでしょうが、それも必ず現場の現場、お客さんの抱えている課題や悩みから着想しなくてはいけません。
それが昨今行われていない事象を多く目にします。
『現場』を大事にしない、重要視しないで社内の政治事やマネージメントにばかりに気を取られている人間は幾ら役職が偉かろうと、その言葉やアドバイスは何の役にも立たないケースは非常に多いです。
マーケッターをやるなら、
有効なアイディアを考えるつもりなら、
新規事業をやるなら、現場離れちゃダメ。
『現場を大事にする』とはお客さんとの接点を常に持ち、お客さんの声ができるだけ多く聴ける最前線に接点を持つということ。
自身が最前線に立たなくともいかに生の声を集められるように情報を汲み上げる工夫をしてるとか常にアンテナ張ってないとダメ。
『答え』は決してマーケジンやITメディアに載ってないから。
でないと『マーケット感覚』なんてすぐに無くなるよ。
有効な『実に活かせるアイディア』発想するには誰より現場知ってないと無理。
だから現場から離れた頭のいいだけのマーケッターは卓上の計算ばかりで実を伴わない。
当たり前だが『何が流行っているか?』のトレンド勉強会するんじゃなくて、『何故それは流行っているのか?なんでそれが必要とされるようになってきたのか?』を考えよう。
その多くの顧客の悩みの行く末を考えて『この先の流れ』を見出そう。
そんな軸でちゃんと勉強会でもやれば次に来るトレンドはぼんやり見えるし、自分たちが先駆けて投資すべき勝負ドコロも見えてくる。
お高いキャリア風の頭良さそうな外資系だったりの企業発のプロダクトや、広告畑発じゃない技術一辺倒の技術出発点の新鋭ベンチャーのプロダクトが、ブランディングが上手いもののどれもイマイチに感じる(お客の課題感に疎い感じ)のは、エンドクライアントとの接点が少ないからだろう。
さて少し話が逸れたが
事業で新規参入をするなら贅沢は言えないが、せめて以下ぐらいはマストで必要。
■最初の時点で『勝つ(生き残れる)』ポジショニングを見出しているか、そしてそれは他社がおそらくまだ気付いていないものであり、その勝つためのロードマップにおけるチェックポイント達成の可能性が見込めるものか。
■技術力はあればあるだけいいが最低限、一般的(業界標準)な質レベルと人員の開発リソース使用が許されるか
■メンバーのマジョリティ(半分以上)はスペックはさておき、目標達成に必要な仕事を自主的に見つけて主体的に動けるメンバーか
(言われてからしか判断して動けない人間が半分以上ではアウト)
■見据えた先のビジョン(完成形)において、そこでは広大な市場が広がっているか(少なくとも第二、第三の収益源事業となる可能性があるか、小銭集めには意味がない)
■バックアップする企業に、少なくとも勝負ドコロではガッツリ資源を投資する粋さと覚悟があるか
そして追加で大事なコトが以下。
(むしろここから本題!)
発展性のある事業か?(面白いか?)には以下が大切。
その商売の勝敗を決するコアポイント(核)へのアプローチが多岐多様にわたるものか?だ。
"勝敗を決する核(コア)"とは
『このポイントをいかに高次元で達成するか』で相対的に競合に勝つか負けるか決まる、お客さんにとって価値あるサービスとして認められるかどうかの一番重要な勝負ドコロを指す。
よくある営業マンの教本の例として用いられる[ドリルを買いに来たお客さん]と、[ドリルを売る営業マン]の話があるが(説明省略)
要するにお客さんが欲しいのはドリルという『カタチ』ではなく
実は【穴を空ける何かしらの機能】を何か欲しがっていたというお話ですね。
このドリルというモノ(サービスでもいい)に求められているのは、『穴を空ける』という役割なわけです。これをドリルのキー・ファンクションといいます。
『カタチ』(サービス自体やモノの機能)とは、お客さんの目線で目的を達成する、課題を解決する手段・役割(ファンクション)として表れた(具現化した)ものに過ぎません。
全ての有形のモノや無形のサービスも商売として提供されているものは、
キーファンクション(メインの役割)と
それらを支えるファンクション(付加価値)が幾つかの、複合で構成されています。
なんかいい例が出せないかな…。
たとえば「扇風機」!
これのキーファンクションは
「人を風で冷やすこと」ですね。
その他付加化価値(ファンクション)として「首を振って部屋中に送風する」とか「電気代を抑える省エネ」とか「風量自動調整」とか考えられます。
扇風機というカタチに縛られている以上、解釈の余地が限られており、すごくキーファンクションがシンプルですよね。
これは発展性の余地が少なく、面白くない。
つまらない。
発展したとしてもダイソンの羽のない扇風機とか顧客にとってどうでもいいイノベーションに限られてしまう。
この前、愕然としたのが渋谷のスクランブル交差点を歩いていた時の事。
大型ディスプレイ広告も街中の大きな公共広告もこんな広告をドーンとうち出していました。
オイオイ、と。かなり苦しくないか…?と。
「テレビ」というカタチにガチガチに縛られて事業をしなくてはいけない限り、もはやイノベーションの余地が残されていない典型例のように感じ哀しくなりました。
この程度のコトをイノベーションだ!と多額の広告費を投入して勝負しなくてはいけないマーケッターの心中を思いやられる。
このように『型』が決まりきっていてキーファンクションがシンプルで分かりやすく発展性の余地の少ないものはやりたくない。
アドネットワークなどもそうだ。
こんなのもやりたくない。
勝負の仕方(キーファンクション達成へのアプローチ)が限られており、
イノベーションの余地が少なければ流れの先は根性勝負か体力勝負になりやすい。
そもそも初めから体力だけの勝負になるであろう辛い戦争など始めたくはない。
=差別化の乏しい過当競争地獄
キーファンクションの質が技術力勝負になる戦争もしたくない。(勝てる気しないから)
要するに僕は、キーファンクションが複数あることが大事だと考える。
たとえばカフェ。
カフェには[大カテゴリーに分類されるファンクション]が『美味しい飲み物が飲める』『リラックスできる空間を提供する』『小腹が減ったらおしゃれで美味しいご飯が食べれる』etcなどのように顧客にとって主要目的が幾つか分かれている。
これらの大カテゴリーに応じて突き詰めて他社と変えていけば差別化が可能になる。
要するに何でもそうだが、その比較的主要なファンクション(パーツ)における違いが企業ごとの色の違いになっている。
※小カテゴリーのファンクションの違いでは差別化しているとは言い切れない
このように構成する主要ファンクションが多いサービスやモノは、解釈の幅が残されており、まだまだ発展性(イノベーション)の余地があり、カタチとして決まりきっていないため独自のカタチを描け、独占的・独自のポジショニングをする余地があるということだ。
ファンクションの数に応じて付加価値をつけやすい。
そのサービスのキーファンクション達成へのアプローチが幾つもあり、イノベーションしやすく、創造性が活かしやすい。だから面白い!!
だからこれを僕は自分が取り組むうえでの独自の条件に設定している。
しかし、しばらくネット広告のプロダクト領域においてそんなチャンスが転がっているものはもう暫くないだろう。そんな事業の立ち上げに関与できるのであれば、まだこの業界で残ってやってみたいと思う。