デジタル広告領域で残る会社、消える会社【後篇】


さて、前回尻切れトンボのように途中で終わり時間の経ってしまったテーマで済みません。

http://thinking2015.hatenablog.jp/entry/2015/01/12/184728

【↑ 前篇はコチラ】

 

確か、日本の市場で広告代理店を主な販路としたデジタル広告配信プロダクトにおけるマーケットの成熟期以降に栄える会社、二流の生存戦略は何か?

そんなテーマだったかと記憶しています。

早く片付けていい加減次のテーマに移りたいと思っています(汗)

 

※以下は基本、一発殴り書き投稿なので論理の矛盾はある前提で書いてます。正しさは主張しません。

 

 

まず、そのいわゆるマーケットの成熟期って

なんだっけ?から始めます。

 

その特定プロダクトカテゴリーが対象とする市場の年間成長率高くて15%程度とかそれらを下回るようになってきたらもう立派な成熟期だと個人的に思っており(一般認識と間違っていたらごめんなさい)

 

そうなると新規のカテゴリーでの需要喚起も程々に成長のためには競合とのシェアの取り合いの様相になると思うのですが

そうなる頃にはトップレイヤーを走る会社さん達としてはどこも同じような価値提供機能は備わりスペックは大体横並びになりつつあると仮定できます。

顧客の基本ニーズ(一定の期待値)は満たせるくらいの機能はね。


サービス改善の余地が狭くアップグレイドしてもそーなかなか顧客にとって魅力的な機能は付加しづらい状況になっていって

そうなれば、利用する側の代理店/顧客にとってもどのサービスを使っても一緒でしょ、感が出てくる訳ですね。

 

サービスの購買動機の要素から、特定サービスのブランドやネームなどが占める部分は殆んど無くなってくる。

ブランドなど無色透明になり、どのプロバイダーを使っているか顧客も意識しなくなる。
『あれ?◯◯さんって今使ってましたっけ?』って。効果も似たり寄ったりだし。


で、そのアリーナにおいてプレイヤーの中で圧倒的に飛び抜けたところがなく大体どこも横並びになって完全競争下に置かれたとき、パイの食い合いを左右する重要要素は変わってくる。

 

結論からいうと『営業力』だと思ってます。


因みに、独占とまではいわないものの、圧倒的な市場シェアをとれるサービスがあるとすれば、それは技術的に真似不可の競争力を抱えている可能性は高いです。

 

CRITEOなどでいえば魔法のエンジンなる独自の技術があり、競合からしても解読不可のロジックを備え、実際に働く社員ですらそのロジックは知らない。

そんな勝負を左右する最も重要な技術的な要素において競合より5~10倍の優れた技術があればそれは競争優位性として機能し、順当に道を間違えなければ圧倒的シェアを握れるかもしれない。

 

『我々はアドテクに強い組織です』、といってもそこまで模倣不可の技術を確立するのは難しいわけで、その特性が生きるのって開発スピードぐらいじゃないかな?と思います。

開発スピードが競争力として生きるのって成長期の一部分のみよね~って思っています。

 

最初にスピードで攻めて『在庫、イベントリを多く抑えてます!』ってのはそれだけじゃあんま競争力とは呼べないかなと思ってます。一時的なもの。

イベントリ提供してくれる協力会社さんに他のプレイヤーよりお金として還元できるクライアント数(弾数)が豊富に提供できるとか、そういうサイクルを確立してる前提で、同時に在庫抑えてりゃ別ですがそうでもなければ在庫なんてのは思っているよりすぐ他社に持ってかれます。

 

さっき挙げた『営業力』ってつまり何よ?って話になるが、日本のデジタル広告代理店を主な顧客として販売するサービスでにおいてって限られた話・・・・


シンプルなKPIを前提に、

出稿したらワンストップに面倒くさいとこ全部請け負ってくれて痒いとこに手の届くフォローしてくれて、顧客へのFBも分かりやすく簡単に済むor纏めてくれる、継続予算とるためのプランニングまでできれば手取り足取りフォローしてくれるとか、または工程全部ですげー省力で済むとか。

要は、できるだけ手離れよくする、そういうことかと思うのですね。日本の代理店さんって忙しいし。

 

そこまで担わなくとも程度の差あれ、

そこを目指す姿勢。


競合サービスと似通った顧客への価値提供ではあるものの、まだトップレイヤーでシェアを後発に食われず先頭群走り続けている会社ってやっぱりそこは理解しているしちゃんと押さえているケースが多い気がするのですよね。

 

そしてシンプルなKPIってのは結局やっぱりCPAですね。

 

結局、大部分の代理店の人もエンドクライアントもCPAとかCVとかの従来のシンプルな指標しか理解し得る脳みそはありませんってのが事実かつ真実。


出たばかりのジャンルのサービスプロバイダーは、お決まりの曖昧なブランディングとか独自の指標とか持ち出すが、そんなものに納得するのは一部のアーリーアダプターだけで、市場として一定の需要はあり成長してもスケールしない。


また、『我々はリソースがありません』ということでフォローも限定的で上流から下流まで買い手の代理店に負担を強いる部分が大きいなんてよくありがちのケースで。

 

新興ジャンルの新興サービスは、サービスのセールス部分代理店のスキルとか解釈のレベルに委ねる部分が大きくて云々、とか色々問題あるけど言いたいことは

そんなんじゃ流行らんでしょ。ってこと

売れるお客なんて10%もいませんよ~

みたいな。

 

冷静に見れば、流行りのネイティブアドなども顕著でアドテクでカバーできる部分のみ省エネで提供できればいいなんて都合のいい売り手解釈の商品ばかりでワンストップには程遠い状況。

クルマでいうなら『我々はタイヤとエンジンを売るのであとはそちらで全て必要なパーツは揃えて組み立てて塗装して好きに売ってください』のようなものばかり。

 

動画広告だって視聴完了数とかの指標でなくCPAに立ち返って、そのKPI達成にどれくらい定量的に寄与しているかとか、

そのKPI達成に重要な構成要素を我々でワンストップに低費用で提供しますというコンセプトでやればもっと市場は広がるだろうし、そんな会社は強いだろうなぁ。

(済みません。実際あるかどうか動画市場よく知らないですけど)

 

ネイティブアドの読了率だってどう料理しろと?『お好きにどうぞ?』といこうとだろうか。。

 

似たような話では
計測ツールDMPなどにも通ずる話かと思う。

 

結局、

導入することでどういう風に売上げが、どれだけ定量的かつ具体的に上がったか?とかCPA改善できたか?とかシンプルに幾ら費用対効果が改善しましたとかいう指標が曖昧でそういう事例も出さないし(実績はなくとも伝えようは幾らでもある)、

何にでも使えます、何でもできます故に解釈の幅が広すぎて、解釈を代理店のフツーのスペックの人に委ねても結局扱えない。

 

自身も大体のWEB系効果計測/解析ツールやDMPの会社のリーダー的な偉い人から直接営業を受けたが売り方が下手と言わざるを得ない

分析の正確性やスペックなどにこだわり過ぎるのはいいとして結局、市場の大多数が何を望んでいるか本当に理解しているところは少ないと思う。

自身がマーケティング担当すればもっと分かりやすくブレークダウンして使い勝手良くして売上を上げられる自信はあるし、もっと工夫の余地はたくさんあるのに惜しいなぁと。


…話が盛大に逸れてブレブレだが、戻すと


最初はトップレイヤーの位置にいてもそのマーケットの雰囲気の変化に疎いと

効率化を求めるあまり『営業』をお座なりにしててスタンス転換が遅れ、本人たちは気が付かない間にお客さん達から使い勝手の悪いサービスという烙印を実は押されていることが結構多い。

 

完全競争下でフォローが弱くても成り立つサービスは代替不可の圧倒的競争力のあるサービスのみ。

 

はじめにサービス設計段階から市場の行く末を見据えて、最終的にCPAのKPIを軸にワンストップのサービスを目指す、そこへ至れるためのロードマップを引くべき。

 

『人力』から逃れようなんて大甘。それは『サービススペック』と両輪。

セールス担当も、最初はライバルが少なくてチヤホヤされるからって「イケてる俺」的な雰囲気プンプンで俺様営業文化というか、自社都合営業文化でやってたら完全競争下になってコンシェルジュ営業への切り換えなんて容易じゃないだろうし、そういう会社は実際にいっぱい見てきたし。

最初からサービスコンセプト、文化として顧客第一主義がある会社はやっぱ強いよねー

 

『営業力』が大きな要素を占めるフェーズになると3流スペックのサービスは話にならないものの2流もなんとか食いっぱくれないだけのチャンスがある。

 

利益率、効率は落ちるのは避けられないができるだけ代理店に手間掛けず手離れよくすればなんとか使ってくれるところは多い。

『予算の大きい案件であれば!』なんて都合のいい大甘な希望は通らない。
玉石混合引きうけ、その中で幾つか芽が出て大きくなれば吉であって利益にならないものも多いだろう。

なんとかギリギリ凌いでそんな芽が出る案件があればボチボチなんとかなるし、体力がなくなれば死んでしまうだろう。

 

 

さ~てさて、このテーマも書いてて飽きたので早く次のテーマに移りたいと思います!

読んでいただいて有難うございましたー!!